『レポートの組み立て方』(木下是雄/ちくま学芸文庫)

大学に入って初めて本格的なレポートを書くとき、多くの学生がつまずくのは「内容」よりも「書き方」です。
何を書けばいいのか。どう構成すれば伝わるのか。引用ってどうするのか。……学校では教えてくれそうで実は誰も教えてくれない“書き方の基礎”を、この一冊は驚くほど丁寧に教えてくれます。

■ レポートは「型」を知れば必ず書ける

木下是雄は、理系分野の名著『理科系の作文技術』を書いたことで知られる著者です。本書でも一貫して強調されるのは「文章にも技術がある」という考え方。
レポートとはセンスや語彙力よりも、論理の流れ=型を身につけることが決定的に重要です。

本書で示される構成原則は非常にシンプルで、

  • 主張を明確にする
  • 根拠を順番に提示する
  • 事実と意見を混同しない
  • 推論の飛躍を作らない
    ――という、学問の世界で普遍的に必要なルールを「なぜそうなのか」まで含めて分かりやすく解説しています。

■「読み手にわかる文章」のつくり方が分かる

多くの学生は「自分では分かっているけれど、文章にすると伝わらない」状態で悩みます。
この本は、読み手の頭の中に“同じ風景”を描いてもらうためには何が必要かを、具体例を交えながら丁寧に示してくれます。

たとえば、

  • 曖昧な言葉を避ける
  • 図表を入れるときは文章と役割を分担させる
  • 導入部で何をどこまで書くか
    など、今すぐ自分のレポートに応用できるテクニックが豊富です。

■ AI時代でも「型」がない文章は説得力を失う

いまの学生にとってChatGPTなどの生成AIは強力なツールですが、AIに何を指示するかは人間側の思考力に依存します。
つまり、型を知らないままAIを使うと、内容が薄く、論理の筋道も通らない文章が出来上がってしまう。

だからこそ本書の「論理を組み立てる基礎」を身につけることは、むしろAI時代の必須素養とも言えます。

■ 読後に必ず“書けるようになる”珍しい本

1994年の本でありながら、内容は今読んでもまったく古びません。
むしろ「レポートが書けない」「文章がうまくまとめられない」という悩みをもつ大学生ほど、読むメリットが大きい一冊です。

読み終えたその日から、書くときの視界がクリアになる。
そんな実感を与えてくれる、大学生に最初に手渡したい文章指南書です。


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