進路・就職

  • 研究スキルと就活スキルは陸続き
  • 就職は「試験」ではなく人vs.組織の「恋愛」
  • 本当に小さなきっかけが大きな変化を生む
  • 学生の個性と業界文化

まず本研究室が大切にしているのは、「研究」と「就活」がまったく別々のステージに存在するのではなく、一つの線でつながった連続的なプロセスであるという考え方です。学術研究とは、課題を自分の問題として定義し、仮説を立て、検証し、失敗すれば立て直し、結果を整理して他者と対話し、次の一歩を模索する――こうした試行錯誤の積み重ねです。そしてこれはいま社会で必要とされる「課題解決能力」そのものです。アルバイトや部活・サークルで派手な実績がなくて嘆く必要はまったくありません。学業に地道に取り組んだ経験、理解できなかったものを理解できるようになった過程も、これらに劣らない説得力を持ちます。

就活は試験のように唯一の正解がある世界ではありません。むしろ人と組織の相性が大きく作用する、いわば「恋愛」に近いものです。自分を正しく伝える力、相手や組織を深く観察する力、需要と供給をつなぐ感性は、研究活動の中で鍛えらる要素です。社会が求めているのは、最初から完璧な答案をつくる人ではなく、「一緒に働きたい」と思える姿勢や価値観を持った人です。他者が優秀に見えても委縮せず、自分の意見を安心して口にでき、自分自身の言葉で語れる――そんな日々の研究と対話に裏打ちされた「根拠ある自信」こそが、どんな採用過程にも通用するブレない軸となります。

主宰・永井は”私学の雄”と呼ばれる早稲田大学で個性的で多様な学生を30人以上指導してきました。卒業生は、内閣府、IBM、日立製作所、NTTデータ、楽天、ANA、商船三井、EY Japan、JERA、日本工営、RESTEC、日本気象協会、スカパーJSAT、三菱電機 など、その業界をリードする組織で活躍しています。大学院進学では東京大学大学院、東京科学大学(旧東工大)大学院、早稲田大学大学院、総合研究大学院大学(国立極地研究所)など、国内トップレベルの大学院に進んだ学生も多くいます。

注目すべきなのは、周囲から“勝ち組”と呼ばれるような学生でさえ、決して一直線に順風満帆だったわけではないという点です。華やかな表向きとは裏腹に、悩みや迷いを抱えていることは少なくありません。こうした迷いや不安に寄り添い、乗り越える道筋を一緒に探してきた指導の経験があるからこそ、本研究室の学生に対しても、安心して挑戦できる環境を提供できます。この経験から、「どのような学生がどんな業界と相性がよいのか」「どのような強みがどの場面で活きるのか」といった実践から得られた知見が蓄積されています。

永井自身も転職経験を通して、就職活動の現実を身をもって理解しています。面接では、何気ない一言が評価を大きく左右し、ときには致命的な印象につながることもあります。一方で、その場に応じた立ち回りや、少しのしたたかさが求められる場面もあります。同じチャンスは二度とやってこないという緊張感の中で判断してきた経験は、机上の知識ではなく、実際の体験から得られたものです。

また、初任給の数字だけでは見えない生涯年収や福利厚生の違い、企業ごとの文化や雰囲気、人事や経営層がどこを見ているのか、業界の中でささやかれる評判や企業同士の力関係など、表に出にくい現実も理解しています。こうした背景を踏まえながら、一人ひとりの個性や希望に合わせて、具体的で実践的な助言を行うことができます。

研究に本気で向き合った人から、社会に選ばれていく。――それが本研究室の就職観です。