- 未来の社会基盤を支える地理空間情報技術
- 現場とデータを統合する地理学的視点
- 学生と教員の共創
- 研究成果の継承
- 学生主体の運営
- 戦略的な学生間ピアサポート
現代社会では、地球表面で起きている多くの現象が、宇宙や地上の観測・センシング技術によってリアルタイムに取得される時代になりました。私たちの研究室が扱うのは、その膨大なデータを地図として可視化し、変化を読み解き、未来の社会づくりに活かす「地理空間情報技術」です。衛星データ(光学/SAR/DEM)、PythonやGoogle Earth Engineを用いたプログラミング、ArcGIS・QGISによる地理空間解析、地球観測データのモデリング、災害・環境変化の分析など、、、扱う内容は専門的ですが、未来社会を支える基盤技術です。行政、企業、研究機関、国際機関――多様な場面で専門家が求められており、ここで身につける技術はあなたの未来を大きく押し広げる力となるでしょう。
しかし、本研究室の真の強みは、地理学科ならではの「現場を見る目」にあります。どれほど高度なデータ解析ができても、現場の匂い、風の流れ、地形の質感、そして土地に暮らす人々の息遣いを理解しなければ、データから本来の意味を読み取ることはできません。フィールドに出て地面に触れ、空気を吸い、その場所で起きていることを自分の身体で捉える経験は、データの洞察力を劇的に変えます。衛星画像では平面的に見える風景も、現地に立てば微細な凹凸や植生の差異が及ぼす影響を肌で理解できます。情報工学だけでは到達できない「現場」と「データ」を統合する力。これを地理学科で身につけることこそが、他学科にはない大きなアドバンテージです。
時空間情報創造学研究室では、学生を受け身の存在とは捉えません。教員が一方的に与え、学生が受け取るだけの一方通行ではなく、「共同創造」の場として研究室を構築します。学生が新しい視野を教員へもたらす場面も多く、刺激を受けることも珍しくありません。この双方向の関係性によって研究室文化を豊かにし、知的な活力を持続的に生み出す場を醸成します。また研究論文は毎年度『時空間情報創造学紀要』として編纂し、製本・印刷します。後輩は先輩の成果を基盤として研究を発展させることができ、同時に透明性と批判的検証の場が確保されます。学生研究は個人の到達点であると同時に、世代を超えて積み重なっていく「叡智の地層」となります。
本研究室では、ミーティングの進行、勉強会やイベントの企画、学内外との調整、機材管理、フィールド計画など、研究室を動かす多様な活動に学生が主体的に携わります。この過程で、得意・不得意、自身の役割、他者との協働の仕方など、授業では習得できない実践的な能力・経験・自己分析を体得します。これらの経験は、上手くいかなかったことも含め、将来のキャリア形成に向けた足掛かりとなります。さらに、本研究室では学生同士のピアサポートを、単なる助け合いにとどめず、研究室全体で困難を乗り越えるための戦略的な仕組みとして機能させます。上級生は自身の経験や習得した技術を後輩へ継承し、研究室の学習効率を高める役割を担います。後輩は先輩から学びつつ、自身の理解を深化させ、次の世代へ知識を引き継ぐサイクルを形づくります。この循環は自然発生的に生まれるものではなく、研究室全体として有機的に機動力を持つシステムとしてデザインされます。学生一人ひとりの学びを最大化すると同時に、個人個人の小さな課題に対しても迅速にソリューションを導き、協働して問題解決に取り組む文化が育まれます。こうしたピアサポートの仕組みは、強靱で持続的な研究室をつくるための不可欠な要素となります。